miyabayashi-kenji.com - 宮林謙次の世界

Description: KENJI WORLD

油彩 (48) 宮林謙次 (1) miyabayashi kenji (1) 謙次 (1)

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大胆な構成と奔放な線、そしてビビットに目に飛び込んでくるエネルギッシュな色彩。謙次くんの描く人物や静物、風景の絵には、ほかの人には真似できない、彼ならではの独特の息遣いが感じられ、見る人を惹きつける強い個性があります。

今から17、8年ほど前、大工さんになる為の学校を受験するのにデッサンの試験があるからと、お母さまと自由が丘の教室を訪ねてこられたのが、彼とのそもそもの出会いでした。ご年配の方々が多い教室の中に、若い男の子が入ってきたので、たちまち謙次くんは教室の人気者に。入ってきた時から、たちまち彼の絵の独自性は現れ、皆を驚かせます。彼の絵の屈託のない天真爛漫さは、当に彼の人柄そのものです。まるで子供のように穢れのない無垢な眼で、心の赴くままに描く彼の絵を見て、教室の生徒さん達はこんな風に描けることがとても羨ましく感じているようでした。私たちも本来、子供の頃は持っていた筈だった純粋さは、だんだんと大人になるに連れ、上手に描こうとか、他人から良く見られたいとかいうような邪心が芽生え、謙次くんのようには描けなくなってしまうのです。

そんな謙次くんの絵も年々進歩し、初めの頃は大胆ながら未だ粗野なところもあったのが、最近は風景の中に登場する人物など、実に細かいところまで丁寧に描き込まれるようになってきました。教室で私は特段何か絵の描き方を教えるということはありません。どちらかといえば、ボクシングのセコンドのような立場に徹し、ちょっと元気がないなと思う時「謙次くん、もっと大きくはみ出すように!」とか「パレットに出す絵具の量が足りないよ、もっとビュビュっといっぱい出さなきゃ!」とハッパをかけることが私の役目だと思っております。絵とは本来こういうものだよと語ってくる謙次くんの絵は、私たちの心を揺さぶり、これから益々進化を遂げてゆくことでしょう。